2024年2月14日水曜日

お別れの日


朝 新幹線を降りて
たっぷりの雪を頂いた富士山が
この冬一番きれいだと思えた事が
兎にも角にも嬉しかった

この日
富士山が大好きだった父の
告別式でした


眠っている間に逝くなんて
父らしい演出みたいと思いつつ
40年前に支度してくれた喪服に
丁寧に半襟を縫い付けました

私が実家と行き来する間に
糸さんが仕付け糸を外してくれて
父の葬儀に初めて袖を通します
(義父は夏に逝きましたので)


納棺師さんの支度が済み
棚経を上げて頂いてからも
家の者はとてもとても忙しく
気持ちの休まる間も無いようです
その一方で
弔問の方の対応をするつもりが
なんとも手持無沙汰な私は
実家で父の書いた物など
久しぶりに読んだりしていました

この一文に納得しました

穏やかで温かな言葉に
父の声が重なるようでした
「現在の死は、生活の基盤であったその
屋根の下では迎えられず、(略)
人生最後の幾日かは、己の意思の働き難い位置で
(略)手を尽くされ止まる。
それが本人にとって、どれほどの価値があろうか」

人生一貫してそうだった様に
最期まで思い通りにできた人です


また会えると疑いようのない程に
あんなに元気だったのに
あっさりと旅立ってしまいましたが
不思議と辛くはないです
皆で心を尽くして
父の好みにかなうような
いいお見送りが出来ました

お留守番の糸さんが撮影した可愛いショット

いつもなら迷わず
クリーニングに出す足袋と半襟
手洗いしてアイロン掛けしました
しみじみ心が穏やかです

こうした嗜みというか心の持ちようを
父が好む気がするというだけなのですが
亡くなってしまったからこそ
こんな風に思うのですね


立春の日が命日となりました
(来年は3日で再来年は4日ですが)

澄み渡った空と雪の富士山
梅が綻ぶ美しいこの季節
毎年 父を偲ぶのかな

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